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厭世のコラージュ
人間にとって最も善いことは生まれてこないこと。次に善いことは早く死ぬこと。
瀕死の双六問屋
 暴行や飲酒運転、覚醒剤などでニュースになるミュージシャンは珍しくない。しかし、本業での表現それ自体がニュースとなり、新聞の社会面を賑わせたミュージシャンっているだろか。

 「素晴らしすぎて発売できません」との新聞広告によって皮肉にも大ヒットした『COVERS』。国旗国歌法制化の最中、野中広務官房長官(当時)が「君が代をうたうこと自体に問題はない」とコメントした『冬の十字架』(君が代をパンク風にアレンジした)。

 思えば不思議。基本的には売れないミュージシャンであるにもかかわらず、その影響力は非常に大きい。ゆえに、忌野清志郎なのか。日本ロック界の超巨星。見た目はどうってことないフツーのおじさんなのにね。実年齢よりは若くみえるけど。

 今の日本、政府を批判しただけで反日だの左翼だのと云われる。正確には、ごく一部から云われる。とにかく反政府、とにかく反体制という者だっている。どこが与党となろうとも、同じように反政府、反体制でありつづける。それは思想的な裏づけからではなく、ともかく性分なのだ。

 偉ぶってふんぞり返ったやつを見ると、このやろうという気持ちがむくむくと沸き上がってくる。だから、常に少数派で、常に敵が多い。あるいは、そうでなくてはチカラが出ない、なんてことも。これも目立ちたがり屋のひとつかしらん。

 喉頭癌といえばミュージシャンには致命的。最初にそのことをひとから聞かされたとき、「ああ終わったんだな」と感じてしまった。ファンが真っ先にあきらめてしまった。失格です。

 どこが、なにがそんなに偉大なのか分からないけれど、キヨシローはやはり偉大だと思う。これは一種の偶像崇拝かも知れない。

 それでも齢50を過ぎてなお、愛し合ってるかーい! なんてコッ恥ずかしいことを叫ぶだけでも、やはり偉大だと思う。

【瀕死の双六問屋】忌野清志郎/小学館文庫
瀕死の双六問屋
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